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チベット騒乱

  • 2008-03-16 (Sun) 3:38
  • 社会

チベットのラサで、3月10日に発生した僧侶らによるチベット独立を求める抗議 活動が、14日には民衆を巻き込んだ大規模な騒乱へと発展し、武装警察などが 武力による鎮圧を行った。

新華社通信は、死者は10人で、いずれも市民が巻き添えになり死亡したもので あると報じたが、中国共産党による情報発信であり、鵜呑みにはできない。イ ンドのチベット亡命政府は、チベット人のデモ参加者30人の死亡を確認した とする声明を発表している。チベットには海外のメディアが入ることができず、 事実を確認することができないというのが現状だ。報道されている映像や写真 も中国政府が発表しているものであり、中国政府にとって有利になるような印 象操作が行われているとみるのが適切だろう。

中国政府は、「暴動はダライラマ14世集団が策動した。十分な証拠がある」と 言っているが、今回の騒乱の背景には、中国共産党による長年にわたる苛烈な チベット支配に対する怒りがある。

そして、今回もまた、中国共産党は、武力による強硬な姿勢でチベット民族の 怒りを抑えこもうとしている。以下のワシントンポストの記事は、中国政府が、 今回のラサでの抗議活動に関して、チベット人の独立派に対して投降の最後通 牒(ultimatum)をつきつけたことを伝えている。暴動に加わったものは17日の 夜までに投降せよ、さもなければ徹底的に弾圧するというメッセージである。

China gives Tibetan protesters surrender ultimatum - washingtonpost.com
China on Saturday gave Tibetan independence protesters an ultimatum to surrender after riots in Lhasa which killed at least 10 people in the worst unrest in the region for two decades.

チベットの現状は、日本にとっても、中国という大国と向かい合う国の一つと して、決して対岸の火事ではない。日本政府は、中国政府がチベットで行って いる武力行使や人権侵害に対して、明確な抗議のメッセージを発信すべきなの だが、町村官房長官が「基本的には中国の国内問題とはいうものの、双方が自 制して混乱が拡大しないことを望みたい」という、緩い発言をしたのみである。

これでもまだ、日本政府がチベット弾圧問題に関して中国政府に自制を求める というのは、異例なことなので、進歩といえば進歩なのかもしれないが、抗議 すべきときに、はっきりと抗議の意思を示さないと、敵からも侮蔑され、付け いれられることになる。

中国国家主席の胡錦濤の来日が5月初頭に予定されているが、こんな状態で来日 を受け入れたら、福田政権の支持率は地に落ちるのではないだろか。

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