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疑似科学と科学の哲学

Hoshitani clipにも 書きましたが,疑似科学と科学の線引き問題を考える上では,読んでおくとよ い本だと思いますので,ここでも紹介しておきます.

疑似科学と科学の哲学
伊勢田 哲治
4815804532

この本は,占星術などの疑似科学と科学を区別する線引き問題に焦点をあてた 科学哲学の本です.擬似科学と科学を区別することは,実は,そんなに簡単な ことではなく,科学哲学の分野では延々と考えられてきた問題です.この本で は,科学哲学において,これまでなされてきた議論の展開が分かりやすく説明 されています.

筆者の伊勢田氏が書いているように,科学と疑似科学の間が単純な基準で白黒 に分けられるわけではなく,筆者の本書における最終的な提案は,ベイズ主義 に基づいて,線を引かずに線引き問題を解決するということなのですが,そこ に至るまでの議論の過程こそが科学哲学なわけで,じっくり読み通す価値のあ る本です.読み応えがありますし,斜め読みではあまり意味がないとも言えま す.

科学と疑似科学の間が単純な基準では線引きできないとなると,先のエントリ 「ゴークランの統計的調査」 に触れた,ミシェル・ゴークランによる占星術についての統計的調査のように, 疑似科学と科学の間にグレーゾーンが残ることになりますが,かといって,明 確に科学的な分野や明確に非科学的な分野が存在する可能性は排除できず,様々 な観点から見て,占星術や超能力研究を科学と呼ぶわけにはいかないことは, 本書を読めば理解できると思います.

科学に関わる人にも,占星術などの占いに科学的根拠があるとナイーブに信じ てしまう人にも,ぜひ読んでほしい本です.

占星術に関心をもつ人たちにとっても,占星術だけに閉じることなく,こういっ た科学哲学の分野も含めて,関連する分野についても関心を拡げていくは,自 分の立ち居地を再確認することや,バランスのとれた見方を手に入れることに 役立ちます.

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