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レセプションはいつ成立するのか

伝統占星術におけるレセプション(reception)という概念について見ていきま す.まず,このエントリでは,レセプションが成立する条件について書きます.

以下のテキストを参考にしています:

伝統占星術といっても,17世紀以前の書き手の誰もが,全く同じことを書き綴っ てきたわけではありません.レセプションに関してもそうで,書き手によって レセプションの定義が異なっている部分もあります.しかし,全く首尾一貫し ていないかと言うと,そうではなく, Deborah Houldingの記事に あるように,,部分的な相違を除いては,レセプションが成立する条件に ついて,ほぼ共通項があります.すなわち,

レセプション(Reception)
天体Aが天体Bによってレシーブされる(recieved),あるいは,天体Bが天 体Aをレシーブする(receive)とは,
天体Aが位置するサインまたは 度数において,天体Bがエセンシャルなディグニティをもち,且つ,天体A と天体Bが合あるいはアスペクトをもつときを言う.

ここで強調しておきたいことは,レセプションが成立するためには,天体Aが 位置する場所(サインまたは度数)において天体Bがディグニティをもつだけ でなく,2つの天体が合あるいはアスペクトをもっていることが条件に含まれ ていることです.ただし,特筆すべき例外があって,それは,いわゆるミュー チャル・レセプション(mutual reception)の場合です.これについては後で触 れます.

レセプションの例を挙げておくと(Bonattiによる例です),月が牡羊3度にあ り,火星(牡羊のサイン・ルーラー)が双子8度にあるとき,月と火星はセクス タイルのアスペクトをもち,月は火星がサイン・ルーラーとなるサインにあり ますから,火星は月をレシーブする,あるいは,月は火星にレシーブされます.

これが,レセプションの成立条件の共通項ですが.書き手によっては,アスペ クトは接近のアスペクトでなければならないという条件をつける場合もありま す.また,天体Aが位置する場所で天体Bがディグニティをもっていると言っ ても,どんなディグニティでもよいわけではなく,サイン・ルーラーかエグザ ルテーションのいずれかのディグニティでないと十分には効果を発揮しないと 考えることが多いです.トリプリシティ,ターム,フェイスといったマイナー なディグニティだけだと,レセプションは成り立つけれども,効果は弱いと考 えるわけです.Bonattiは,サインのルーラーでもエグザルテーションでもなけ れば,トリプリシティ,ターム,フェイスのうち2つのディグニティをもって いないといけないと,細かく条件をつけています.

また,レセプションが機能する条件として,レシーブしている天体Bがデトリ メントやフォールといった力の弱い状態にあってはならないとか,レシーブし ている天体Bが,レシーブされている天体Aがフォールやデトリメントとなる 場所に位置してはならないといったことも言われています.

というように,書き手によって異なる部分や,より厳密な条件はつけられるこ とはありますが,レセプションが成立するためには,天体Bがディグニティを もつ場所に天体Aが位置するというだけではなく,2つの天体が合,あるいは, アスペクトをもっていることが条件に含まれていることは共通しています.

次に,ミューチュアル・レセプションについてです.ミューチャル・レセプショ ンとは,2つの天体が,互いがディグニティをもつ位置にあるときを言います. William LillyがChristian Astrology で与えているレセプションの定義 (Christian Astrology, Vol.I, p.112)は,ミューチュアル・レセプションで, 且つ,2つの天体がアスペクトをもつことは条件に含めていません.Lillyはア スペクトをもたない場合でもレセプションが成立すると書いているわけで,伝 統に照らして,これをレセプションと言ってよいのでしょうか.答えはYES です.

これは,Ibn EzraがGenerosity(Liberality)と呼んでいるもので,2つの天 体が,互いがディグニティをもつ場所にあるときは,2天体が合やアスペクト をもたなくても,レセプションは成立すると書き残しています(The Beginning of Wisdom, Chapter VII, Translated and Annotated by Meira B. Epstein,ARHAT Publications, p.125).

Lillyは,この伝統に沿って,Christian Astrology Vol.Iのミューチャル・レ セプションの定義を与えたのでしょう.あと重要なことは,Lillyは,なにも, レセプションとしてミューチャル・レセプションのみを考慮しているわけでは なくて,通常のレセプションである,片側のレセプション(当然アスペクトあ り)も扱っています.

以上見たように,2つの天体の間にレセプションが成立するためには,一方の 天体が,他方の天体がディグニティをもつ場所に位置することだけではなく, 2天体が合あるいはアスペクトをとっていることが原則です.しかし, 2天体が合あるいはアスペクトをとっていなくとも,レセプションがミューチャ ル(相互的)なものであれば,同様の効果が期待できるというわけです

では,レセプションはホロスコープ解読においてどのように使われてきたので しょうか.それは次のエントリで見ていきます.

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