Yahoo Groups には占星術関連のMLが幾つかありますが、 そのうち、Angelicus Merlinで、 現米国国務長官のコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice) の出生ホロスコープが話題になっていました。
コンドリーザ・ライス(Condolleeza Rice) の出生データ:
14 November 1954, 11:30 am CST (+6:00)
Birmingham, AL, U.S.A. (33N31 086W48)
コンドリーザ・ライスの出生ホロスコープ

Wikipediaの記事を見て分かる通り、ライスは、若くして、高い社会的地位に登っ た人物です。出生ホロスコープを観ると、アセンダント水瓶のルーラー土星が 蠍にあり、MC 蠍のルーラーの火星が水瓶にあって、ミューチュアル・レセプショ ンを形成しています。
火星も土星もペリグリンなので、ミューチュアル・レセプションの効果は絶大 とは言えないですが、火星は1ハウスにあり、土星もホールサインハウスで見れ ば10ハウスにありますから、火星も土星も行動する強さをもっています。この ミューチュアル・レセプションは、本人も高い地位を目指して懸命な努力を重 ね、上からの引きも強かったであろう彼女の経歴の一端を表しているのではな いでしょうか。
Angelicus MerlinのMLでも議論されていましたが、MCと合の太陽は、力をもっ た男性からのサポートで社会的な地位を得ることを表しているのかもしれませ ん。
プライベートな生活や結婚に関係する金星、月は、弱い状態にあります。金星 はアンギュラーの位置にありますが、蠍にあってデトリメントで、太陽の近く にあってコンバストです。月は、自分のサイン(蟹)にありますが、残念なが らケーデントの位置にあります。
MLの議論の中で、ライスの出生ホロスコープで特に注目を引いていたのは、ド リフォリー(Doryphory)です。ドリフォリーとは、ルミナリー(太陽、月)に付 き従い、守護する天体のことを言います。ドリフォリーは、その人物の社会的 な力や名声と関係すると言われます。
何をドリフォリーとするのかという定義は幾つかあるようなのですが、 Bernadette Bradyによると、 まず、ドリフォリーの位置が次のように定義されます。
ドリフォリーの位置
(1) 太陽にとってのドリフォリーの位置とは、太陽よりも前にあって、太陽が
入るサインの始めまでの範囲と、太陽が入るサインの一つ前のサイン全体を言
います。たとえば、太陽が水瓶10度にあるなら、水瓶0度から水瓶10度までの範
囲と、魚全体山羊全体が、ドリフォリーの位置になります。
(2) 月にとってのドリフォリーの位置とは、月よりも後にあって、月が入るサ インの終わりまでの範囲と、月が入るサインの一つ後のサイン全体を言います。 たとえば、月が双子20度にあるなら、双子20度から双子29.99度までの範囲と、 蟹全体が、ドリフォリーの位置になります。
この(1)、(2)の定義の背景には、昼を支配する太陽には、太陽よりも先に東の 地平線を上る天体が付き従い、夜を支配する月には、月よりも後に東の地平線 を上る天体が付き従うという考えがあります。
次に、ルミナリーのドリフォリーの定義です。ドリフォリーとなりえるのは、 土星、木星、火星、金星、水星の5天体です。これらの5天体が、ルミナリーの ドリフォリーとなるためには、それらの天体がドリフォリーの位置にあるか、 ドリフォリーの位置にアスペクトする必要があります。ただし、ドリフォリー の位置へのアスペクトについては、ベネフィック(木星、金星)はトライン、 セクスタイルのみを考え、マレフィック(土星、火星)はオポジション、スク エアのみを考えます。
水星は、中立的な天体なので、Bradyがどう扱っているのかは、勉強不足でよく 知りません。水星は、ドリフォリーの位置へのアスペクトは考えないで、ドリ フォリーの位置に在るときのみを考えるのが、筋が通っているような気もしま す。
太陽と月のうち、出生を支配するルミナリーのドリフォリーを重要視します。 昼生まれなら太陽のドリフォリー、夜生れなら、月のドリフォリーです。
伝統的な占星術では、強いドリフォリーは、社会的な地位や名声を高めていく 力をもっているかどうかを示すバロメータの一つと考えられました。
ライスの出生ホロスコープは、昼生まれのホロスコープなので、太陽のドリフォ リーに注目します。上に書いた定義によると、太陽が蠍21度にあるので、それ よりも前にあって、蠍0度までの範囲にある土星、水星は、太陽のドリフォリー となります。火星は、蠍16度をスクエアでアスペクトするので、火星も太陽の ドリフォリーとなります。
月のドリフォリーも見ておくと、月は蟹18度にあるので、それよりも後にあっ て、蟹29.99度までの範囲にある木星は、月のドリフォリーとなります。金星は トラインで蟹22度をアスペクトし、土星はスクエアで獅子13度をアスペクトし、 火星はオポジションで獅子16度をアスペクトするので、金星、土星、火星も月 のドリフォリーとなります。
5天体すべてが、いずれかのルミナリーのドリフォリーとなっています。太陽 と月を守る従者が多いということです。
特に、太陽のドリフォリーである土星、火星は、それぞれアセンダント、MCの ルーラーであり、火星は、それ自身が1ハウスという強い場所にあり、土星もホー ルサインハウスでいうと10ハウスにあります。
このように、ライスの出生ホロスコープは、かなり強いドリフォリーをもって いると言えると思います。
ちなみに、ドリフォリーだけでなく、その人物が社会的な地位や名声を高めて いく力を測るバロメータとして、伝統的な占星術では、次の条件を検討しまし た。文字通り、信じるのは避けてください。背後にあるロジックを推察するよ うにするとよいと思います。
(1) 両方のルミナリーが男性サインにある。
(2) 両方のルミナリーがアンギュラーにある。(あるいは、少なくとも一つの るルミナリー、特に出生を支配するルミナリーが、アンギュラーにある)
(3) 5つの天体すべてがルミナリーのドリフォリーとなっている。(特に出生 を支配するルミナリーのドリフォリーになっている)
(4) ドリフォリーがアンギュラーにある(特に、1ハウスと10ハウス)
(5) ドリフォリーがアングルを支配する(特に、アセンダントとMC)
(6) ドリフォリーが良い状態にある。
この条件をすべて満たせば、この世の王となるだろう、ということらしいです が、実際には、この条件をすべて満たす人は、めったにいませんし、もちろん、 この条件をすべて満たす人が、王になるわけではありません。簡単に反例を見 つけることができます。
この条件から垣間見えるように、伝統的な占星術では、強いルミナリーと、強 いドリフォリーは、その人物の社会的の地位や名声を高めることを助けると考 えたようです。もちろん、その人物が、幸せや充足感を感じて生きていくかど うかとは無関係ですが。
また、総理大臣の子息が総理大臣になるのと、政治とは何の関係もない家に生 まれた人物が総理大臣になるのとでは、本人の努力は当然違いますから、ルミ ナリーやドリフォリーの強さは、生まれた環境からどれくらい高く地位の階段 を上っていくかを表しているとも考えたようです。
私は、そういう社会の構造を全面的に肯定するわけではないですし、出生ホロ スコープを見るだけで、その人物がどれほどの社会的地位に登るかが分かると は思っているわけでありません。昔の占星家は、上に書いたようなアイディア をもっていたというぐらいに受け取ってください。
本人の行動と努力なくしては、どんなお膳立てがあっても、結局は何も起きな い、というのが、最も真実をついていると思っています。
訂正(3 Apr 2008): (1)太陽にとってのドリフォリーの位置の例で、「魚全体」を「山羊全体」に訂正。
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