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希望と抑うつ症状の軽減

  • 2008-08-17 (Sun) 12:54
  • 科学

You’ve got to have hope: studies show ‘hope therapy’ fights depression

オハイオ州立大学のJennifer Cheavensらが、American Psychological Associationの大会で発表した研内容究です。

発表のポイントは次の2つです。

  • 「希望」は抑うつ症状を軽減させる効果がある。
  • 人は、「希望療法(Hope therapy)」を受けることによって、より希望をもつことを学ぶことができる。

希望が抑うつ症状を低く保つということは、一見当たり前のことと思えるかも しれませんが、そのことを実験によってきちんと実証したということと、なに より、彼女らが使った「希望」の定義が面白いと思いました。

この研究では、「希望」には2つの要素があるとしています。

  • 欲するものを獲得するための地図あるいは経路
  • その経路を辿ろうとするモチベーションと強さ

つまり、人生において欲するものを獲得する方法を知っており、且つ、それを 実現させようとする願望をもっているときに、「希望」をもっていると、定義 したわけです。

希望とは、何かいいことが起こることを期待するという楽観主義とは異なるも のであり、達成したい目標と、その目標を達成するための計画・願望をもって いる状態であると定義づけたところが、この研究の重要なポイントです。

彼女らの実験では、黄斑変性あるいは他の疾患により視力が弱まっている患者 97名(多くが60歳以上)と、その看護者に対して、アンケート方式により彼ら の希望と抑うつ症状を調べました。

調査の結果、まず、患者自身が抑うつ症状をもっているとき、その看護者が抑 うつ状態になりやすいという一般的傾向があるということが分かりました。こ れは、当然の結果でしょう。

しかし、たとえ患者が抑うつ症状を示していたとても、より「希望」に満ちた 看護者は、抑うつ状態が軽減されることが分かりました。また、「希望」に 満ちた看護者は、より人生に満足し、重圧感/重荷感(sense of burden)も少な いことも分かりました。

さらに、Cheavensらは、「希望療法(Hope therapy)」と呼ぶ、トレーナーが導 くグループセッションによって、人は、希望をもつことを学ぶことができる可 能性も示しています。

一見当たり前と思えることをきちんと実証するための実験計画をたてることは 難しいことなので、この結果を示せたことは素晴らしいと思いますし、 希望とは、何かいいこと起こりそうという単なる楽観主義とは違うものであり、 希望をより具体的な積極的態度として捉えているところが気に入りました。

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